デザインの源泉 [人を動かす]

久しぶりの更新です。
これまでデザインにまつわる話や、本を紹介してきました。
それには変わりないのですが、今後はもうちょっと広くデザインを捉えた形で発信をしていきたいと思います。

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

ボクの持っている版には「世界的ロングセラー」とあります。
世界中のいろいろな人がこの本のことについて述べていると思うので、くどくど言いません(言えません)。

まだ読んだ事が無い方。
ちょっとでも興味があるようでしたら是非読んでください。


もしかしたら、タイトルからマネジメント論的なイメージを受けている方がいるかも知れません(ボクもそうでした)。


たぶん違います(もちろんそういう見方もアリですが)。
人として誰もがもってる「認められたい」という気持ちをうまく受け止め、それを適切な表現でその人に戻してあげることがどれだけ円滑な他者とのコミュニケーションに繋がるか、そういうことを伝えている本です。
そして結果的にそれが「人を動かす」ことになる、とボクは理解しています。


10年以上前、あるイベントでイタリアの「デザインダイレクター」という職業の方と話す機会がありました。イタリアではデザイナーの社会的地位が高い、ということは割と知られていると思いますが、この「デザインダイレクター」はそのデザイナーと企業・団体を繋ぐ役割の職種だということでした。
企業に対しての営業的な役割、企画立案、デザイナーとのコラボレーション、プロモーション戦略、権利処理など、デザイナーを前面に立てつつも実は全体をデザインするのは彼のような職種の人々なのだそうです。
「コンセプトを最後まで守り抜き、世に出すのが私の仕事だ」とも言っていました。


日本で言えばプロデューサーに当たるのかも知れませんが、もっとデザインに根ざした、デザインを中心に据えた動きをする人に見えました。まさにボクが理想としている「デザイン」でした。


彼に「デザインダイレクターになるにはどういう視点や訓練が必要でしょうか?」と質問をしたときの答えがこの「人を動かす」方法と全く同じでした。


「相手に興味をもつこと」


えっ、それだけ?というボクのリアクションに彼はこう付け加えました。


「それがデザインの原動力になる」


なんだかその時はちんぷんかんぷんだったボクも(若かったし)、この本を読んだときようやく彼の言わんとしていたことが分かったような気がしたのでした。


もっと詳しく知りたい方は→人を動かす 新装版